今、私たちは大きな変革の時を迎えています。
科学技術の進歩は多くの未知を解明し、私たちの生活に安楽を与えてくれた一方で、自然環境の破壊や生活環境の激変が、新たな危機と不安とを私たちの心にもたらしつつあります。
科学技術の進展と高度成長を支えた過去の教育に欠けていたのは、「人間とは何か」という根本的な洞察でした。
今、必要とされるのは既成の知識の体系ではなく、「自己とは何か」という真摯な問いかけと、総体としての人間を洞察する、柔軟かつ鋭敏な感受性にほかなりません。また、現在は国境を越えた人間と情報のやりとりが日常化し、「国際化」がしきりに叫ばれています。
しかし、わが国における「国際化」とは、明治期以来、単なる「西洋化」を意味している場合が多かったのではないでしょうか。
真の国際化を達成するためには、まず自己を知り、自己の属する文化を学ばなければなりません。
日本の歴史・文化・芸術に対して深い理解をもち、そのうえで他者、すなわち異文化との対話をくりかえすことによって、はじめて国際人と呼ばれるにふさわしい資格を身につけることができます。こうした認識のもとに、私たちは白鳳女子短期大学を創設し...