私たち藍野グループは、他に先駆けて心と体の合併症に対処し、高齢者医療やリハビリテーションなど、21世紀の医療の重要な課題に取り組んできました。
藍野グループの医療は精神科から始まりました。かつて精神科の患者さんは差別されがちでしたが、今では精神科の疾患も病気の一つという意識が広がり、状況は改善されています。私たちは精神と身体の両方をしっかりケアすることのできる患者さん中心の医療を目指し、実践してきました。
面前で苦しむ患者さんへの対応は医師のみでは不可能です。医師以外のスタッフも対等の立場で、より高度な医療に従事することが大切です。医師は明治時代の初めから高等教育化が進み、他の医療従事者はひたすら医師の命ずるままにその手足となって働く立場でした。その限界に社会もようやく気付き、共に医療に携わるという意味で医療従事者をCo-medical コメディカルと呼んで協力体制を築きつつあります。
私はこれに対して、看護、理学療法、作業療法を含む医療、福祉、保健の専門家が一緒になり（Sym）、シンフォニーを奏でるように協力して患者さん中心の医療（Medical）を行うことが重要であると考え、Sym-medical シンメディカルという理念を提唱しています。それを実現するためには、医学にとどまらず「医療」の分野で、教育と臨床と研究の三本柱を確立することが急務です。学校法人藍野学院では、4年制大学、短期大学、専門学校の教育を通じて、チーム医療の担い手となる看護師、PT、OTなどを育成してきました。その教育ノウハウと、地域医療における藍野グループのネットワークを生かし、世界の医療現場で活躍できる人材を育てながら、医療に関する高度な研究も行います。患者さんの全人的なケアを担う熱意と向学心に燃える人を、そして21世紀のより良い医療を目指して挑戦する夢多き人を、藍野グループはしっかりサポートします。