しかし、友人関係では五分五分の利害関係のないお付き合いができるとしても、
会社対会社のお付き合いでは、利害関係のないものはありません。
例えば、売り手と買い手、受注側と発注側など立場の違いは明らかですよね。
接待と言えば、昔は高級クラブやゴルフのイメージでしたが種類はいろいろです。
例えば、お中元やお歳暮などの贈答品もこれにあたりますし、
打ち合わせや会議の前後の飲食や、特別な食事会に先方を招待するのも接待です。
接待の内容は、目的や相手によって当然異なります。
では、食事会などの接待ではどのようなサービスが必要で、
そこにはどのようなマナーが存在しているのでしょうか。
まずは、目的を明確にしましょう。
取引を有利に進めるための接待なのか、契約が成立したお礼の意味の接待なのか、
また共に進めてきた仕事が終了した後の、慰労や打ち上げのような意味を込めた
次のステップに向けての接待なのか、感謝の意味を込めた接待なのかなど、
同じ接待でも、目的はそれぞれで違いますよね。
接待の場面をセッティングするときは、何事も「ほどほどに」が重要です。
通常の飲食ではなく、特別に招待して行う接待ですから、
粗末なものでは先方に失礼ですし、逆に豪華すぎると先方に気を遣わせることに。
相手が気兼ねせず、気軽に応じてくれるようなアレンジを心がけましょう。
前もって先方の好みなどを聞いておくと、より喜んでもらえるアレンジが
できるかもしれませんね。
接待の席では、売り手と買い手という関係であっても、
仕事の話、商品の話ばかりするのはやめましょう。
先方も、「接待だ」ということは認識していても、売り込みの話ばかりだと、
嫌気がさしてしまいますし、事実かもしれませんが、あからさまに下心や
見返りを期待していることが伝わるのは気分のよいものではありません。
基本的には、仕事の話は先方が切り出してからの方がよいでしょう。
自分から持ち出す場合は、必要なことだけを手短に伝えましょう。
また、接待の場面は確かに重要ではありますが、だからと言って、
「粗相があってはいけない!」とこちらが生真面目で堅苦しい態度だと、
先方も居心地はよくないでしょうし、良い印象も与えません。
接待する側は、ホスト役としての気遣いは必要ですが、
相手が逆に気疲れすることのないよう、楽しい会話とリラックスできる場を
つくり出すよう、本当の「おもてなし」を心がけましょう。
会計をする場合は、先方が席を外している間、もしくは、
自分がお手洗いに行くふりなどをして席をはずし、
先方の目の届かないところでさりげなく済ませるのがポイントです。
接待において重要なことは、あくまで接待は先方との関係を強化したり、
親睦を深めたりする場だということです。
取引を決めるのは仕事の場であり、接待はプラスアルファの要素であることを
踏まえた上で、先方に喜んでいただける場を作れるといいですね。