この【結構】には、実は長い歴史があり、まず名詞として登場します。
1.平安時代後期=組み立てて作り上げること
2.鎌倉時代=企て・計画
3.南北朝時代=物事の準備の整え・支度、という意味でした。その後、形容動詞や副詞としての意味が登場します。
4.江戸時代=良く出来上がっているさま、
5.江戸時代=一応よいというさま・かなりのさま、
6.明治時代=十分なさま・・・と様々な意味が含まれはじめます。
この6.の意味での使い方は、大きく二つの意味があると思いませんか?
例えば、「今夜、食事に行きませんか?」
「それは、結構ですねー」、と言うと喜んで行きます!という十分満足している気持ちを表現できます。
一方、「コーヒー、もう一杯いかがですか?」「結構です」では、十分なのでもうこれ以上は要りません、という意味でしょう。
ということは、肯定と否定、両方の意味があるということになりますね。街頭でお話を伺った時に、『相手が都合良く解釈しては困るので、「結構です」は使わず、要らないとはっきりいいます』と、答えてくださった方がいました。そうですね。はっきり言う必要がある場面には、あまり使わない方がいいかもしれません。口調や態度によって表現が様々になり、話手の内面も理解してとらえなくてはいけない言葉なのでしょう。でも、難しく考えなくても、普段、うまく使い分けているかもしれませんね?