②、「うその誘い」というよりただの「社交辞令」として受け止めたほうがいいかもしれません。「うその誘い」と言えば、典型的なのは「今度、ぜひ家へ遊びに来てください」だと言えます。外国人なら誰でも一度ぐらい経験したことがあるようです。
ここでは、判断のコツがあります。
「本当のお誘い」なら、必ず具体的な日付が付いています。例えば、「今度の土曜日の夜、ぜひ家へ遊びに来てください」。「社交辞令」としての誘いは具体的な日付が付いていません。その時は「はい、ありがとうございます。ぜひお伺いします」と言って、あとは忘れましょう。
③、どの言語もそうですが、同じ言語を使うもの同士の間では「暗黙の了解」があります。言語は「その言語を使う集団」のために存在しているので、「その言語を外国語として学ぶ集団」のために存在していません。ですから、その「暗黙の了解」も含めて理解すべきではないでしょうか。
日本では、外国人に日本語を教える時、「日本事情」という項目があります。このような日本的な言い方も学生に教えます。ある日一人の若い日本語教師が学生に言いました「今度の土曜日ぜひ家へ遊びに来てください」。新人教師が真剣に準備したにもかかわらず、学生たちが「ああ、これがただの社交辞令だ」と思い、クラス中ただ一人しか行きませんでした。こんな笑い話のような事例もあります。