去る2月28日、私たち国際関係学プログラム(IRP)の学生はフィールドトリップで東京へ行ってきました。当日になるまで私たちは「“雪の監獄”から抜け出し、陽射しとビルと人混みの世界へ行く日だね」と冗談交じりに話しあっていました。1カ月も前のことになりますが、つい昨日のことのように鮮やかに思い出されます。 その1カ月ほど前にフィールドトリップの計画を知らされていた私たちは、言葉に出来ないほど期待に胸を躍らせていました。防衛省や国会議事堂、外務省外交史料館、国連大学といった見学先は、IRPの学生にとっては最高にうれしいものでした。 フィールドトリップを企画して下さったのはミュオ先生と熊谷先生でしたが、前日にはオリエンテーションも実施され、二人の先生から見学の目的、見学先での心得等きめ細やかにご指導いただきました。そのお陰で、見学先がそう簡単に出入り出来ない重要な場所であることをきちんと理解することが出来ました。特に私のような留学生にとっては、普段はなかなか足を踏み入れることの出来ない場所で、直接話すことは出来ないような要人にお会いできる機会であることがわかりました。 いよいよフィールドトリップ当日、山々や雪里がまだ完全に目覚めていないような早朝に、私たちはバスに乗り込みました。IUJと寒い冬とはしばしの別れです。バスの車内には暖かい陽光が降り注いでいました。あっという間に3時間が過ぎ、気がつくと私たちは東京にいました。 最初の見学先は防衛省で、市ヶ谷台には同省職員約1万名が勤務しています。まず、儀仗広場内を徒歩で見学しました。ここは国旗掲揚や内閣総理大臣や諸外国からの高官等の栄誉礼等の各種儀式等の重要な行事が執り行われる場所です。次に市ヶ谷記念館を見学しました。ここには旧陸軍士官学校以降の歴史的資料が多く展示されています。また、かの有名な東京裁判が行われた場所でもあります。さらに広報展示室に移動し、昨年の3月11日に発生した東日本大震災の被災地における自衛隊の活動を記録したドキュメンタリー映画を観ました。被災者の救助や瓦礫の撤去、復旧・復興支援等、胸を打つような映像で、震災の大きな爪痕を目の当たりにしました。 防衛省を後にした私たちは、次に国会議事堂を見学しました。冬の日射しを浴びて荘厳に輝く建物が私たちを迎えてくれました。遠くから見ても一目でそれとわかる美しいみかげ石の建築物なので、私たちは「日本のホワイトハウス」と呼んでいました。国会議事堂から衆議院議員会館へ抜け、そしてレッドカーペットに続くロビーから御所を望み、中央広間へと到着しました。広間の四隅には日本の憲政に貢献した政治家の銅像が置かれています。昼食は議事堂内にある議員食堂でとり、その後、ある政治家の方のお話しを聞く機会をいただき、日本の政治や外交について色々と教えていただきました。私たちは国会議事堂を訪れた記念に集合写真を撮り、次の目的地である外務省外交史料館へ向かいました。 外務省外交史料館では2つの史料室を見学しました。1853年に黒船が来航し、西洋への扉が開かれてから後の日本史を物語る資料が多く展示されていました。それらの史料を通じて、私たちは歴史上の出来事や日本が他国と締結した条約等について学びました。歴史上の重要文書を自分の目で見ることが出来、興味深かっただけでなく極めて光栄に思いました。 フィールドトリップの最後の見学先は国連大学でした。驚くほど手厚い歓待を受けながら、国連大学の概要やアカデミックプログラムの説明をしていただきました。私たちの中には、IUJ修了後にこの大学の博士課程に進みたいと思った人も少なくありませんでした。概要説明の後、この大学の図書館と書店を見学しましたが、書店を出る時には皆が最低1冊は購入した書籍を手にしていました。 この日の見学が全て終わり、私たちは帰りのバスに乗り込みました。街頭が投げかける私たちの影が車中に揺れていました。東京に別れを告げ、新潟への帰路につきました。長く忙しい一日に皆疲れを見せてはいましたが、目にはまだ興奮や感慨の気持ちが表れていました。とても楽しく充実したフィールドトリップで、私たちはその後何週間もその話題でもちきりでした。私もこの旅に参加し、普段は行けないようなところを訪問出来たことに感謝しています。きっと他のみんなも同じように感じているに違いありません。IRPが今後もこのような機会を提供し続けてくれるよう期待しています。 報告:トゥイ・ゼオ・ヴさん(ベトナム) 国際関係学プログラム2年 |
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