赤十字「白地に赤い十字」のマークは、人道上の偉大な提案者・アンリー・デュナンの祖国であるスイス国に敬意を表して、スイス国旗の色を逆にして決められたものです。1859年6月、スイスの青年がイタリア統一戦争の激戦地ソルフェリーノにほど近いカスティリオーネという町にさしかかりました。 そこで、戦争による悲惨な光景を目のあたりにした青年は、町の人々や旅人たちの協力を求め、傷病兵の救護に献身しました。「傷ついた兵士は、もはや兵士ではない、人間である。人間同士としてその尊い生命は救わなければならない」との信念に、青年は燃えたのです。旅を終え、スイスに帰った青年は、自ら戦争犠牲者の悲惨な状況を語り伝えるとともに『ソルフェリーノの思い出』(UN SOUVENIR DE SOLFERINO)という本を著し、この中で国際的な救護団体の創設を訴えました。この青年こそ、赤十字の創設者アンリー・デュナンその人です。 |