名古屋女子大学の前身となる名古屋女学校が設立されたのは大正4(1915)年のことでした。創立者で、初代学長でもある越原春子先生は、『親切』を校訓とし、女性が学問に励むことが社会的自立の道であり、ひいては文化の向上に寄与することであると諭したのです。
それから35年後の昭和25(1950)年に、本学が名古屋女学院短期大学として発足した時も、その建学の精神は受け継がれ、さらに春子先生は「女性自らの努力による男女平等の実現」を謳い、そのために女性が「高い教養と職能」を身につけ、経済的に自立する必要性を訴えてきました。
大正、昭和を経て平成の時代に入り、わが国は科学文明爛熟の時にあります。ややもすれば、人は物質の海に埋没しようとしています。しかし本学では、新世紀を迎えた今も当時の“理念”は揺るぎない基本方針であり、未来に向かって力強く歩き続ける人間を育てているのです。 |