本学園の建学の精神は、本学園の母体である北陸電波学校初代理事長故嵯峨保二氏の高邁な建学の理念を継承し、これを具現することであります。その精神を一言にして要約すれば、全人類の普遍原理たる人間主義の哲学であります。この建学の精神は、創設以来、本学園の向上発展に鋭意邁進された創設理事泉屋利吉氏によって真摯に継承され、かつ、本学園が法人名を学校法人金沢工業大学と改称し、日本の最高学府たる高等教育機関として躍進するにあたり、建学の綱領を「人間形成」「技術革新」「産学協同」と定め、これを三大旗標として掲げたのであります。それは、日本人としての誇りと確固たる精神を矜持し、国際社会に寄与し得る人材、次代の技術革新を担い得る人材、そして人類の豊かな発展を継承し得る人材の育成と産学一体の学術探究とを目指すものであります。したがって、本学園の理事、教職員並びに学生は、日本国民の師表たる決意をもって、自己の人間形成に努め、相互に切磋琢磨を行い、全学が和衷協同の理念に徹し、そして日本文化の進歩と世界平和の建設に貢献することこそ建学の精神具現への道であることを深く銘記しなければなりません。日本の学校教育法は「大学は学術の中心として広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。」「高等専門学校は、深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成することを目的とする。」と述べています。また、アメリカの故ケネディ大統領は、1963年6月10日アメリカン大学の卒業式において『平和の戦略』と題する演説を行いましたが、この演説はあの有名なリンカーン大統領の『ゲチスバーク演説』に比すべき歴史的名演説といわれています。彼はその中で 「この地上にあるもので大学ほど美しいものはないであろう。大学は無知を憎む人々が知ることに努め、真理を知っている人々が、他の人々の眼を開かせようと努める場であるからである。」と、彼らしい格調の高い言葉を引用して大学の使命を語っています。