皇學館大学は、伊勢の神宮における長い神道研究の伝統を源流としていますが、明治15年、神宮祭主久邇宮朝彦親王の令達によって、神宮の学問所である林崎文庫に開設された「神宮皇學館」を直接の起源としています。
明治33年に神宮祭主の賀陽宮邦憲王からいただいた令旨には、わが国の歴史に根差した道義と学問とを学び、実際の社会の中で実践して、文明の発展に貢献するという、まさしく本学の建学の精神が記されています。以来100年以上が経ちましたが、その根本精神は、現在も皇學館大学の中に脈々と受け継がれています。
近年、社会福祉学部や文学部コミュニケーション学科などを設置し、変化する日本社会と国際環境のありように対応しながらも、この本学の原点は揺らぎません。それはすなわち、神道を根幹として、平和で豊かな、誇りにあふれた国家社会を築こうと努めてこられた祖先の歩みに敬意を払い、そこから生み出された独自性に富む思想・倫理・道徳・歴史・文化を継承し、その実現に努力することを目標として、教育と研究を推進していくことです。
平成24年には創立130周年・再興50周年の佳節を迎えますが、皇學館大学は以上のような建学の精神のもと、その特色ある教育・研究が、ますますその輝きを増しています。